【個人事業主】特別控除(定額減税)のオンライン簡易申請の完全ガイド
個人事業主やフリーランスの皆さん、特に起業したばかりの方や税金の仕組みにまだ慣れていない方へ。
今回は、令和6年度(2024年度)の税制改正で導入された「所得税の特別控除(定額減税)」と、新しく認められた「簡易的な記載方法」について、わかりやすく解説します。
この記事を読むことで、以下のことが理解できるようになります。
- 新しい税制改正の概要と、あなたへの影響
- 特別控除(定額減税)の仕組みと、どれくらい税金が減るか
- 簡易的な記載方法を使った、簡単な手続きの方法
- 確定申告時の注意点
では、順を追って詳しく見ていきましょう!
税制改正って何?なぜ行われるの?
まずは、「税制改正」という言葉自体から説明しましょう。
税制改正とは:
税制改正は、国が毎年行う税金のルール変更のことです。経済状況や社会のニーズに合わせて、税金の計算方法や控除(税金を差し引く)の仕組みを調整します。
なぜ行われるの?
- 経済を活性化させるため
- 社会保障を充実させるため
- 特定の政策目標を達成するため(例:環境保護、少子化対策)
- 税負担を公平にするため
今回の令和6年度(2024年度)の税制改正では、個人の税負担を軽減するために「特別控除(定額減税)」が導入されました。これは、多くの人の手取りを増やし、消費を促進することで経済を活性化させる狙いがあります。
個人事業主の皆さんにとっては、この改正によって最終的な税金の額は変わりませんが、オンラインで申請をするだけで、先払いする必要がある税金が減税され、少しだけ事業資金に余裕が出るかもしれません。
それでは、具体的にどのような制度なのか、見ていきましょう。
特別控除(定額減税)の基本
「特別控除(定額減税)」という言葉、難しそうに聞こえるかもしれません。
でも心配いりません。順を追って説明していきます。
特別控除(定額減税)とは:
簡単に言えば、「決まった金額の税金を差し引いてもらえる」制度です。
今回の場合、所得税と住民税から一定額を引いてもらえるのです。
対象者:
- 個人事業主(フリーランス含む)
- サラリーマン
- その他、所得税を納めている人全員
つまり、ほとんどの働く人が対象になります。
適用される年:
令和6年分(2024年1月1日〜12月31日の所得)
控除を受けるための条件:
- 所得税の課税対象となる所得があること
- 青色申告でも白色申告でもOK
控除を受けられないケース:
所得税額がゼロ円以下の場合(つまり、もともと所得税を払っていない場合)
ここまでが基本的な概要です。次は、具体的な金額を見ていきましょう。
控除額はいくら?具体的に計算してみよう
特別控除(定額減税)の額は、以下の通りです:
- 所得税分:3万円
- 住民税分:1万円
- 合計控除額:4万円
これは全ての人に一律で適用されます。所得の金額に関係なく、同じ額が控除されるのです。
では、具体的にどのように計算されるのか、例を挙げて説明しましょう。
年間の所得税額が18万円の場合
例1:本人のみの場合
- 所得税控除前:18万円
- 所得税控除後:18万円 – 3万円 = 15万円
- 住民税:翌年度の住民税から1万円減額
例2:本人 + 同一生計者配偶者等(妻、子ども)の合計3人の場合
- 所得税控除前:18万円
- 所得税控除後:18万円 – 3万円 * 3人 = 9万円
- 住民税:翌年度の住民税から3万円減額
住民税の1万円控除は、翌年度の住民税から差し引かれます。
例えば、令和6年(2024年)の所得に対する控除は、令和7年度(2025年度)の住民税から差し引かれることになります。
簡易的な記載方法って何?どう便利なの?
さて、ここからが今回の税制改正のもう一つの大きなポイントです。「簡易的な記載方法」が新たに認められました。これは、予定納税の手続きを非常に簡単にするものです。
簡易的な記載方法とは:
予定納税の減額申請をする際に、複雑な計算をせずに申請できる方法です。
従来の方法との違い:
従来の方法:
- 当年の収入や経費を細かく見積もる
- 所得控除や税額控除を計算する
- 最終的な税額を計算する
簡易的な記載方法:
- 前年の所得税額から、定額減税額(3万円)を本人 + 同一生計者配偶者等(妻、子ども)の人数分引くだけ
メリット:
- 手続きが簡単:複雑な計算が不要
- 時間の節約:申請にかかる時間が大幅に短縮
- ミスの減少:計算が簡単なので、間違いが少なくなる
具体的な申請方法は、後ほど詳しく説明します。
予定納税への影響と減額申請の方法
ここで、「予定納税」について簡単に説明しておきましょう。
予定納税とは:
前年の所得税額が一定以上あった場合、当年の所得税の一部を前払いする制度です。7月と11月の年2回に分けて納付します。
今回の特別控除(定額減税)は、この予定納税額にも影響します。具体的には、予定納税額が減少します。
簡易的な記載方法を使った予定納税額の計算:
例)本人 + 同一生計者配偶者等(妻、子ども)の合計3人の場合
第1期の予定納税(7月納付分):
- 計算式:(前年の所得税額 ÷ 3)-(3万円 × 3人)
- 例:前年の所得税額が18万円の場合
18万円 ÷ 3 = 6万円
6万円 – (6万円)= 0万円 ※ 9万円の内、3万円分は引けなかったので繰越
第2期の予定納税(11月納付分):
- 計算式:(前年の所得税額 ÷ 3)-(3万円)
- 例:前年の所得税額が90万円の場合
18万円 ÷ 3 = 6万円
6万円 – (3万円)= 3万円 ※ 第1期に6万円、第2期に3万円で合計9万円の控除
減額申請の方法:
- e-Taxソフト(Windowsのみ対応)を利用したオンライン申請
- 所轄の税務署への書面での申請
e-Taxソフト(WEB版)での申請方法はありません!
また、スマホ、Macなども申請できません!
ここでは、e-Taxソフトを使った簡易的な申請方法を説明します。
e-Taxソフトを使った簡易的な申請手順(概要):
①申請書を作成する
②署名をする
③オンライン申請をする

e-Taxソフトを使った簡易的な申請手順(詳細):
・「e-Taxソフト」を起動
※ 初めて起動すると基本情報(氏名、住所、納税地など)を入力する必要があるので、
必須項目のみは登録する。
・①申請書を作成する
「メニューボタン」の「作成」> 「申告・申請等」を選択
※作成する手続きの種類は「申請・届出」を選択し、税目は「所得税」を選択

・「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」を選択

・下記の資料を参考に「簡易的な記載方法」で入力する
>(令和6年6月)
>『令和6年分所得税の予定納税における定額減税の取扱いについて』(A4縦型・両面リーフレット)

・例)定額減税額(3万円 × 人数分)を差し引いた金額を入力
※ 今回実施している「簡易的な記載方法」の通りだと、項目[39]には予定納税基準額を入力すると記載があるのですが、値を入力して保存すると下記のエラーが表示されます。ただ、このエラーは無視して先に進められるので後続の手順を進めてください。
(本来、項目[39]は自動計算項目(項目[37]+項目[38])だけど、「簡易的な記載方法」だと「項目[37]+項目[38]」は未入力だからエラーなのかな?それにしてもドキっとするので、「警告」ぐらいにしてもらえたら嬉しい…)

・「エラー」が表示されても、後続処理は可能なので「いいえ」で先に進める。

・申請書の作成完了
※ 状態に「作成完了(手計算あり)」と表示されるが簡易な方法のため仕方なし。

・②署名をする
内容を確認し、電子署名を行う
・③オンライン申請をする
送信ボタンをクリックして申請完了

以上で、オンライン申請は完了です。
このブログ記事がお役にたったら、ぜひ、『#フリランTIPS』というハッシュタグをつけてSNSに投稿してください。「オンライン申請できた!」などと報告してもらえるととても嬉しいです!どうぞよろしくお願いします。
注意点:
- 減額申請の提出期限:
- 7月減額申請の場合:7月15日 ※ 令和6年のみ7月31日まで延長
- 11月減額申請の場合:11月15日
- 所得に大きな変動がある場合や臨時所得がある方は、通常の記載方法を使用するか、税務署に相談しましょう。
確定申告時の注意点:忘れずに控除を受けよう
令和6年分(2024年分)の確定申告を行う際(2025年2月16日〜3月15日)は、この特別控除を忘れずに申告することが重要です。
確定申告書の記載方法:
- 所得金額や所得控除の計算を通常通り行う
- 算出税額から、特別控除額(所得税分3万円)を差し引く
- 住民税の申告欄で、特別控除額(住民税分1万円)を差し引く
- 予定納税額や源泉徴収税額を差し引いて、最終的な納付税額または還付税額を計算
e-Taxソフトを使用する場合、特別控除欄が自動的に表示されるので、該当する控除額を入力するだけで済みます。
まとめ
令和6年度の税制改正による特別控除(定額減税)と簡易的な記載方法の導入は、多くの個人事業主やフリーランスの方々にとって、税負担の軽減と手続きの簡素化につながる重要な変更です。
主なポイントを整理すると:
- 特別控除額は所得税3万円、住民税1万円の合計4万円
- 簡易的な記載方法により、予定納税額の減額申請が簡単に
- 予定納税額にも影響するため、減額申請を検討する
- 確定申告時に忘れずに申告する
- 減額申請の期限に注意(7月申請は7月15日、11月申請は11月15日)
この制度を正しく理解し、適切に対応することで、皆さまの税負担を適切に管理し、事務作業の負担も軽減することができます。不明な点がある場合は、早めに税理士や所轄の税務署に相談することをお勧めします。
税制は毎年のように変更があるため、常に最新の情報をチェックし、自身の事業に与える影響を把握しておくことが大切です。今回の特別控除と簡易的な記載方法を上手に活用して、事業の安定と成長につなげていきましょう。
<参考情報>
[国税庁] 定額減税 特設サイト


コメント